一般診療
虫歯の治療、入れ歯や義歯の作製、歯周病治療、歯ぎしりの対策などのほか、さまざまな治療を行ないます。光学式う蝕検出装置、デジタル式レントゲン撮影装置、炭酸ガスレーザー装置、歯牙動揺測定器など、メリットが多いと思われる機器を積極的に導入し、より良い治療のために役立てています。
虫歯の治療の流れ
CO
虫歯の初期段階です。歯の表面が白く濁ることがありますが、歯をクリーニングしてきれいにし、フッ素を塗布して歯の再石灰化を促すことで再建できる段階です。そのため、まだ歯は削りません。歯磨き指導も行ない経過観察を続けます。
C1
歯の表面を覆っている硬いエナメル質が溶けています。痛みなどの自覚症状はほとんどないものの、虫歯の状態によっては患部を削らなければなりません。削ったところには詰め物をします。
C2
エナメル質の下層にある象牙質にまで虫歯が達しています。神経の近くまできているので、冷たい物や熱い物などがしみるといった自覚症状が現れます。患部を削って詰め物をし、虫歯が広がるのを防ぎます。また、治療の際には麻酔をする可能性があります。
C3
歯の神経や血管が集まっている歯髄が虫歯に侵されます。神経が直接炎症を起こすため、激しい痛みがあります。歯の神経を抜くため根管治療を行ない、歯の根っこを掃除します。患部を除去したら被せ物をします。
C4
歯の頭の部分(歯冠)がほとんど崩壊している状態です。歯根しか残っていないうえ、神経も死んでいるので痛みは感じません。しかし、さらに放置すると歯根の先に膿ができ、激しい痛みにつながります。根管治療を行ない対処するか、抜歯をして入れ歯など義歯の作製を検討します。
根管治療
3~4種類の抗菌剤(または抗真菌剤)を混ぜたものを感染部に直接塗布またはセメントに混合して密封し、病原菌を効果的に排除します。
歯冠形成
できるだけ金属による充填(詰め物)を行なわずに、歯と同じ色の材料で充填するなど、機能性だけでなく審美性にも配慮しています。
歯ぎしりの治療
就寝時における歯ぎしりや食いしばりなどは、歯を磨耗させるだけでなく、顎関節症、歯周病の悪化、不正咬合(歯並びが悪くなる)など、さまざまな問題を引き起こす要因のひとつです。歯ぎしりで磨耗した歯を修復するのは大変難しいので、できれば歯ぎしり自体を防止したいところですが、就寝時に無意識に起こる現象なので患者さまの努力では改善されません。そこで、患者さまの歯型をもとに、ナイトガードとよばれる就寝時装着用マウスピースを作製します。
夜、寝る時にナイトガードをつけていただければ、歯ぎしりによる磨耗を防ぎ、健康な歯を守ることができます。
歯周病とは
歯と歯肉の間には「歯周ポケット」とよばれる隙間があります。ここを中心とした歯周組織に歯垢が溜まると、歯肉の内側で炎症が起きて歯を支える骨が溶けてしまいます。これを歯周病といい、重度の場合は歯がグラグラして抜け落ちる可能性もあります。
歯周病は初期段階であればしっかりケアをすることで改善できますが、はじめは自覚症状が出にくいのでご自身ではなかなか気づけません。また、糖尿病などの全身疾患との関連も指摘されており、早めに歯周病を治療することが望まれます。
歯周病治療の流れ
歯肉炎
歯肉が炎症を起こして赤く腫れています。この時点ではまだ歯肉内部の骨などは炎症を起こしていません。歯周組織をクリーニングできれいにしたり、歯磨きをより丁寧に行なったりすることで、歯肉の炎症がおさまります。
歯周炎(軽度)
歯肉と歯の間にある「歯周ポケット」に付着した歯垢により、歯肉の内部にある歯槽骨や歯根膜といった組織が細菌に侵されます。自覚症状としては、歯磨き時の出血などがあります。歯垢や、歯垢が固まった歯石とよばれる汚れを取り除きます。
歯周炎(中度)
炎症がさらに悪化し、歯を支えている歯槽骨が半分ほど破壊されます。この段階では、歯もグラグラとして安定しません。歯周ポケットが7mmほどまで深くなり、出血のほか膿が出るケースもあります。歯石が肉眼では見えないような位置にまで付着している場合、歯肉を切開して歯根を掃除することがあります。
歯周炎(重度)
歯槽骨は半分以上溶けてしまい、歯が抜けそうなほど動揺しています。出血や膿が出るほか、口臭も強くなります。歯が安定しないので硬い物が噛めなくなるなど、食生活にも多大な影響が出ます。重度の歯周炎では抜歯するケースが多くなります。また、自然に歯が抜け落ちることもあります。
・治療内容によっては保険診療となりますが、機能性を重視する場合は自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
・根管治療を行なうと、歯の構造が筒状になるため、歯が破折しやすくなります。
・再度根管治療を行なうとさらに根管壁が薄くなり、より歯が破折しやすくなりますが、コア(土台)と被せ物を接着力に優れたセメントで接着し、歯・コア・被せ物を一体化させることで、破折のリスクを抑えられます。
・再度根管治療を行なっても、予後が悪くなってしまうことがあります。このような場合は、外科的な治療で対応することがあります。
・治療内容によっては自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
・基本治療で改善しない場合に行なう歯周外科治療や歯周組織再生療法では、歯肉を切開するため、腫れや痛みをともなうことがあります。
・治療によって歯肉が引き締まってくるため、被せ物と歯肉の段差が目立つことがあります。